アウトボクサーの脆さ

大阪 ボクシングジム 心斎橋 パーソナルトレーニング キックボクシング

"リーチで勝負する生粋のアウトボクサーの難しさ。"

今日行われた、ゾラニ・テテ選手とカシメロ選手のWBO世界バンダム級の正規王者と暫定王者の統一戦で改めて感じたことである。

このようなことを感じる試合は今までも多くあった。山中慎介選手とルイス・ネリの試合や、エリスランディ・ララ選手とジャレット・ハード選手の試合などである。

どの試合も共通してあった試合の特性として、身長、リーチを活かして戦うアウトボクサーと回転力とパワーで積極的の打ち合うボクサーの対戦ということであった。

結果としてはどの試合もアウトボクサーが相手の圧力をいなしきれず、耐え兼ね、パンチを被弾し力負けした展開である。

私自身はアマチュアボクシングの選手時代に同じようなボクシングスタイルを目指し、良く言えばアウトボクサーとして、悪く言えばパンチを貰わない事を中心に考えて対峙していた。ボクサーの誰もが一度は考える、相手に全く打たせずにできるだけ多く打つスタイルである。

私が思う唯一このボクシングスタイルを最後までやり遂げ、勝ち続けていたのはフロイド・メイウェザーJrただ一人である。井上尚弥もドネア戦の少しの隙からできたアクシデント的な目の負傷はあれど、今後そのひとりに加わりうると考えられる。このボクシングを目指すにあたって必要な能力としてまず考えられるのは、目の良さと相手との距離間の支配力である。そして、それを3分12ラウンド継続させるスタミナと集中力である。これはボクサーであれば大なり小なりあれど持っている感覚である。しかし、それを完璧に遂行させるには大いなる持って生まれた、身体能力と洞察力が必要となる。こればかりはどうしようもない事実である。

ボクシングをするにあたって大きく分けて二つの能力がある。オフェンス力とディフェンス力である。ボクシング界でよく言われることでもあるのだが、オフェンス面は練習で磨くことが出来るが、ディフェンス面は才能が多くを占めてしまうということである。ガードの方法、ダッキング、ウェービングの練習はあれど、いざ相手と対峙してパンチが飛んでくると、後は完全にボクサーの感覚に委ねられるので仕方がない事である。

ボクシングを観戦する大方の人はアウトボクサーをつまらないと言い、あまり好まれないが、そのアウトボクシングを遂行することがいかに難しくて、素晴らしい技術が詰め込まれているか、そんなことを見ながら、感じながらボクシングを観戦すると今まで楽しくないと感じたボクシングの試合も少し変わった風に、そして、興味深く観戦できるのではないかと思う。