キックボクシングでカーフキックはなぜ有効?

キックボクシングにおけるカーフキック

最近キックボクシングや総合格闘技(MMA)でカーフキックが流行しています。

そのきっかけはやはり昨年大晦日に行われたRIZINの堀口恭司選手対朝倉海選手の試合でしょう。

 

序盤から堀口恭司選手の右カーフキックが朝倉海選手の前脚(オーソドックススタイルなので左脚)に何発か入って動けなくなりそのままパンチでKOという展開でした。

前回の試合では朝倉海選手が堀口恭司選手にKO勝利していたということもありなかなか衝撃的な展開だったのではないでしょうか。

そして同時に「カーフキック」という技が広がるきっかけにもなりました。

 

カーフキックとはなんなのか?

まずローキックとの違いですが、ローキックは基本的に膝から上を蹴ります。

ローキックを何発ももらって太ももが真っ赤に腫れている選手を見たことがあると思います。

特にずっとキックボクシングをやっていた選手と、ボクシングからキックボクシングに転向したばかりの選手が試合をしたときなどに見られる光景ですね。

 

対してカーフキックですが、カーフは英語でふくらはぎのことで文字通り膝下のふくらはぎ付近を蹴るキックのことを言います。

なぜふくらはぎを蹴られると効くかというと、まず単純に筋肉も脂肪も太ももより少ないため衝撃を吸収しにくいです。

さらにふくらはぎの筋肉は踏ん張る際に非常に重要になりますがここにダメージがあるとしっかり踏ん張れず、フットワークは失われ強いパンチ・キックも打てなくなります。

 

右ストレートを打つ際の体重が乗った左脚にカーフキックを蹴ると衝撃を逃せないので非常に有効です。

これだけ流行すると対策もみんなが練習するようになると思いますがそれを踏まえたうえでの戦略も必要になってくるでしょうね。

キックボクシングにおけるカーフキック対策

現在キックボクシング・総合格闘技において猛威をふるっているカーフキックですが、対策方法はどういったものがあるのでしょうか?

おおきく分けるとふたつです。

 

ひとつは「カット」をすること。

相手のカーフキックに合わせて自分のスネを当てるようにすることでダメージを最小限にすることができます。

カットはカーフキックだけでなくローキック(太ももへの蹴り)などに対しても使われているキックボクシングの基本的なディフェンス方法ですね。

ボクシングからキックボクシングに転向したばかりの選手はカット技術が高くないのでまともにダメージを受けてしまうことが多いです。

 

もうひとつが「奥足重心」で構えること。

奥足とはオーソドックススタイルでいう右足、サウスポースタイルでいう左足のことです。

カーフキックは主に前足を蹴りますので、奥足重心にすることでカットをしたりかわしたりするのが容易になります。

例えばムエタイの選手などはボクシング出身の選手と比べて、基本的に奥足重心で構えるのでカーフキックは喰らいにくいですね。

 

 

ちなみにカーフキックはキックボクシング界に最近出てきた新技、ということではありません。

昔からあったものの上記のような対策が確立され、上手にカットされるとカーフキックを蹴った側がケガをしやすいといったリスクもあり徐々に使われなくなっていったのです。

対策が確立されているのになぜ有効?

上記のとおり、対策方法が確立しているカーフキックがなぜ今また輝きだしたのでしょう?

これはキックボクシングにおけるファイトスタイルの変化によるところが大きいと考えられます。

 

最近キックボクシングでも総合格闘技でも、パンチをメインに闘う選手が増えてきました。

パンチをメインにということはボクシング同様、前足重心になって踏ん張って強いパンチを打とうとするということです。

カーフキックの対策はカットと奥足重心です。

つまりパンチがメインになるとカットと奥足重心がしずらくなってしまうんですね。

そんな状況にカーフキックは効果バツグンだったというわけです。

 

ただ、少し前までキックボクシングにおいてカーフキックを蹴る選手が少なく対策の練習もあまりしていなかったという背景もあるでしょう。

これだけカーフキックが流行すれば対策の練習もしっかりするようになり、また徐々に使われなくなっていくかもしれません。

 

 

ボクシングでもキックボクシングでも、その時期によって流行する技がありますね。

カーフキックで蹴った側がケガをするシーンが激増

(2021年8月10日追記)

やはり上記でも少し触れたとおり、キックボクシングでも総合格闘技でもほとんどの選手がカーフキック対策をするようになりましたね。

その結果カーフキックを蹴った側がケガをするというシーンが非常に増えました。

どういうことかというと蹴られた側がカット(スネを外に向ける)することで衝撃が蹴った側に跳ね返りケガをしてしまうというもの。

 

カーフキックを蹴った側のスネが真っ二つになったという衝撃の映像もあるので興味のある方は『カーフキック 骨折』で検索を。

なかなか観る側の背筋も凍るような、そんな映像となっています。