チェスボクシングとは

チェスボクシングとは

皆さんは「チェスボクシング」というものをご存じでしょうか?

 

チェスはボードゲームのチェスのことで、将棋の外国版みたいなやつと言えばやったことがない人も想像ができるでしょうか。

ハリーポ〇ターと賢者の石でロン・ウィ○ズリーが駒に乗って戦っていたアレですね。

 

そのチェスとボクシング、なんの関係があるんだろう?

ボクシングのなにかの動きをチェスに例えているとかそんなんなのかな?

 

いやいや、本当にそのチェスとボクシングの両方を行うのです。

なにを言っているかわからないでしょう。

筆者も最初は意味が分かりませんでした。

 

どのようにしてこの競技が生まれたかというと、発祥は1992年に発表された「マンガ」でした。

エンキ・ビラルさんの「冷たい赤道」という作品内でオリジナルの競技としてチェスボクシングが行われたのです。

知性と力強さ、どちらも表現する方法はないかと考え、このチェスボクシングを思いついたそう。

 

その後チェスボクシングは現実へ飛び出し、2003年には初の世界大会も開かれました。

競技人口は3500人とマイナースポーツではありますが、ヨーロッパを中心におこなわれています。

 

チェスボクシングのルール

さてチェスボクシングの具体的なルールはどういったものなのでしょう?

まず最初にチェスのラウンドをおこない、次にボクシングのラウンド、そしてまたチェスのラウンド~という流れです。

チェスは1ラウンド4分を6ラウンド(持ち時間は12分)、ボクシングは1ラウンド3分を5ラウンドおこないます。

※ボクシングは1ラウンド2分でおこなうという情報もあります。

 

チェスとボクシングそれぞれのルールや反則行為などはチェスボクシングでも同様のようです。

実際に試合の動画を観るとチェスの際に両選手がヘッドホンを着用しています。

その理由についてはおそらくですが、チェスのルールで「まわりからアドバイスを受けるのは反則」というものがあるのでそのためかと思われます。

 

決着方法はチェスかボクシング、どちらかで勝敗がつけばその時点で決着となります。

チェスの場合はチェックメイト(将棋でいう詰み)、持ち時間切れ、リザイン(投了・ギブアップの意)

ボクシングの場合はKO、TKO、レフェリーストップなど。

ボクシング、チェスともに決着がつかなかった場合はボクシングの判定で勝敗が決まります。

といっても判定決着になることはほとんどありません。

チェスは合計24分間おこないますが、持ち時間の12分を使い切ると負けになるためです。

 

ちなみにですが、ボクシングの性質上、チェスボクシングでも階級が分けられています。

どっちをメインで練習する?

さてチェスとボクシングを両方おこなうということはもちろん両方練習しないといけないわけです。

どちらに比重を置いて練習するのが有利なのでしょうか?

 

実際の選手の特徴でいうと、ボクシングの実力はそこそこでチェスが強いという選手のタイプが多いようです。

 

私は最初「チェスで実力差があってもさすがに4分で負けることはないだろうしボクシング強いほうがいいんじゃないの?しかも持ち時間12分フルに使えば3~4ラウンド持ちこたえれるし」と思っていました。

しかしルールをよく見て考えるとたしかにボクシングはそこそこでいいのかもしれません。

 

チェスのラウンドで審判から無気力試合だと判断されると負けになることもあるようです。

ボクシングの決着は基本的にKOなので相手を倒さなければなりません。

つまりどれだけ有効打を与えてもダメージを与えてもダウンを奪っても、KOできなければチェスで決着となるのです。

もちろんボクシング素人相手ならKOできるでしょうが、しっかりガードを覚えてアウトボクシングで倒されない戦い方を徹底されてしまうとなかなか厳しいものがあります。

 

「でもボクシングが世界チャンピオンクラスだったら!」とも思いましたが、公式戦に出場するにはFIDEレートというチェスの実力を示す指標が最低限必要なようです。

 

 

余談ですが日本でも関西で大人気の某探偵番組にてチェスボクシングになぞらえた将棋ボクシングを実現しました。

ボクシング元世界チャンピオンの井岡弘樹さんと将棋棋士の先崎学九段(当時八段)が対戦。

この試合では先崎さんが将棋で井岡さんを追い詰めるも、ボクシングラウンドで井岡さんがダウンを奪いKO勝利となりました。