ボクシングの年間試合数

ボクシングの年間試合数

ボクシングの年間試合数はなん試合ぐらいかご存知ですか?

1年間に何試合おこなうかはスポーツによっても違います。

例えば野球は140試合ほどおこない、サッカーはリーグ戦34試合に加えて代表戦やカップ戦をおこないます。

 

ではボクシングは何試合ほどおこなうのか?

もちろん人それぞれ違うのですが、だいたい年間で2~4試合程度です。

数カ月に1試合ペースの計算で、年間2試合だと半年に1試合。

野球などはシーズン中は毎週6試合行うので、それと比べると少ない印象を受けるのではないかと思います。

 

確かにボクシングも昔は1年間で何十試合もおこなう選手もいました。

例えばマイクタイソンさんはデビュー戦から1年間で18試合もこなしています。

 

しかし時代が進むにつれてどのボクサーも徐々に年間試合数が減っていきます。

これにはいくつか理由があります。

 

ひとつが試合で残るダメージです。

ボクシングは野球などとは違い格闘技なので頭部への衝撃が加えられます。

つまりそれは脳にダメージが与えられるということです。

キックボクシングなら脚を蹴るローキックがあったり、総合格闘技なら絞め技や関節技もあります。

ですがボクシングはパンチのみなので、どうしても頭部への打撃が多くなります。

パンチドランカーという言葉を聞いたことがあると思います。

脳へのダメージが蓄積し、記憶力低下や認知症のような症状に陥ってしまいます。

年間で何十試合もおこなっていた時代もありましたが、研究が進むにつれてそれが危険だということが分かってきました。

世界戦になると相手のパンチ力も凄いのでなおさらですね。

ボクシング世界チャンピオンの井上尚弥選手は2018年2019年ともに年間試合数は2試合です。

 

ボクシングではこういったダメージも考え、JBC(日本ボクシングコミッション)ではKO負けをした場合90日間試合をしてはいけない、3戦連続でKO負けだと120日間試合をしてはいけないといったルールも存在します。

選手の安全を守るためというのが一番の目的ですね。 

 

もうひとつ、ファイトマネーが以前よりもらえるようになったということもあるでしょう。

もちろんトップクラスの選手に限った話ではありますが、年間何十試合もしなくてもファイトマネーとCMやスポンサー収入などで生活できる選手も増えてきました。

 

また、他のスポーツにはないけどボクシングにはあるもの、減量です。

ボクシングでは試合が決定すると数カ月かけて5kg~10kgほど体重を落とします。

減量幅は個人差がありますが、試合後いったん体重が元に戻ってまた減量~というのは日程的にも身体的にも厳しいです。

これもボクシングの年間試合数が少ない理由でしょう。

 

これらの理由から現在は昔より試合数も少なくなっています。

今後、試合数や勝利数の記録を塗り替えることは実質不可能と言ってもいいでしょう。

 

 

ちなみにですが、アマチュアボクシングはプロボクシングと比べて年間試合数が多い傾向にあります。

アマチュアボクシングはプロボクシングと比べて、思いっきり殴って相手を倒すというよりは上手く相手に当ててポイントを稼ぐのがメインなのでダメージも少ないのでしょう。

また、単純にアマチュアボクシングはラウンド数も少ないので、それも年間試合数が増える要因だと考えられます。