
キックボクシングの試合で「パンチが売りのキックボクサー対キックボクシングに転向した元プロボクサー」のハードパンチャー対決といった煽りの対戦カードが組まれることがあります。
こういった試合はだいたいキックボクサーのほうが勝つイメージが私の中であります。これはボクサーよりキックボクサーの方が強い・レベルが高いということではなく、いくつか要因があると考えます。
要因1.意識が散らばる
同じ相手と戦ってもボクシングルールで行えばボクサーが勝つと思います(本職なので当たり前ですが)
ですがキックがプラスされると相手のパンチだけでなくキックも意識しないといけません。ボクサーにとってキックは不慣れですから必要以上に意識がいってしまいます。
キックに意識がいきすぎた結果なんでもないようなパンチを被弾してしまったりするのです。
要因2.「カット」の技術
ローキックを効かされてなにもできなくなる、そんな試合になることが割と多いです。
キックボクシングには相手のキックをガードする「カット」という技術があります。この「カット」を行うことでキックのダメージを最小限に抑え、場合によっては蹴った側にダメージを与えることもできます。
ボクサーはもちろん本職のキックボクサーと比べると総練習量は少ないので習得できていないことも多いです。
このカット技術が身についていないとローキックで脚にダメージを与えられ、強いパンチを打つこともできなくなってしまいます。
要因3.噛ませ犬として呼ばれている
これは少し穿った見方ではありますが、キックボクシングの試合においてボクサーは噛ませ犬つまり引き立て役として呼ばれることも多いです。
キックボクシング団体からすればボクサーといういわゆる外敵ではなく自分のとこの選手にスポットライトを当てたいです。
なので団体側のキックボクサーより少し実力で劣る選手を選んで対戦させるわけです。キックボクシングに転向して日が浅い選手や、場合によってはキックボクシングの経験のない選手にオファーを出すこともあります。
ほとんどのファンはそんなこと分からないので、この試合にキックボクサーが勝てば「ボクサーにパンチで打ち勝った!ボクシング技術もすごい!」といった箔がつくわけです。
と最後はちょっとひねくれた書き方をしてしまいましたが、ボクサーに勝ったキックボクサーもイコールボクサーよりパンチが凄いとは一概には言えないよーという話です。
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