ボクシングの判定・採点方法について解説

ボクシングの判定での採点方法

今回の記事ではボクシングの判定・採点方法について解説していきます。

 

ボクシングの勝敗はどちらかがどちらかを倒せばKO決着となりその時点で勝敗が決まりますが、最終ラウンドが終わるまで戦い切った場合は判定決着となります。

テレビを観ていて「ええ!?なんで○○が勝ちなの!?」と判定に納得いかないことってありますよね。

ではその判定・採点はどのような基準でおこなわれているのでしょうか?

ボクシングはスポーツとして発達していくのにともない試合でのルールはもちろんのこと、判定・採点方法についても明確な基準が定められるようになりました。

 

まず誰がボクシングの判定・採点をしているかですが、「ジャッジ」と呼ばれるいわゆる採点係の人が一試合につき3人います。

ちなみに「レフェリー」はあくまで試合中に反則行為を注意したり、ダウンしたボクサーが試合続行可能かの判断をするなど、試合を円滑に進めるのが仕事なので、判定や採点をしたりはしません。

試合終了後にレフェリーが勝利者の腕を持って掲げますが、あくまで結果はジャッジから伝えられたものに従っているにすぎません。

 

ではジャッジがどんな判定・採点基準に従って点数をつけているのか説明していきましょう。

 

【ボクシングの採点方法】

3人のジャッジのうち2人以上が支持したボクサーが勝利となります。

各ラウンド10点満点の減点方式で採点をし、互角なら10対10、一方が勝っている場合は10対9、一度のダウンやこれに近いグロッキー状態のときは10対8、2度のダウンやKO寸前の場合は10対7、3度のダウンは10対6となります。

それ以上差がある場合はレフェリーが止めるので10対5という採点はありません。

ラウンドごとにジャッジペーパーという用紙に採点を記していきます。

最終的にこれらをすべて合計して勝敗を決定します。

 

【ボクシングの採点基準】

・有効なパンチでどちらがよりダメージを与えたか。

・どちらがより攻撃的だったか。(前に出るだけで攻撃できていない場合は評価対象にならない)

・どちらがより相手の攻撃を防いだか。(防ぐだけで反撃できていない場合は評価対象にならない)

・どちらの試合態度が堂々としていて戦術的に優れていたか。どちらが主導権を握っていたか。

 

ボクシングの判定・採点は以上のような基準に基づいておこなわれています。

けして「うーん、AよりBのほうが優勢っぽかったからBの勝ち!」みたいな感じで主観で判定しているわけではありません(笑)

 

疑惑の判定はなぜ生まれる?

ではこのようにボクシングの判定・採点には明確な基準があるのにもかかわらず、なぜ「疑惑の判定」は生まれるのでしょう?

 

上記のとおりボクシングの採点基準は4つあります。

ですがこの4つのうちどれを高く評価するのか?という面は人それぞれ変わってきます。

 

では実際にあなたもジャッジになったつもりで判定・採点をしてみましょう。

例えばAさんとBさんのボクシングの試合があったとします。

Aさんはこのラウンド、常に前に出続けて手数も多く攻め続けました。

ただガードされることが多く大きなダメージは与えられませんでした。

それに対してBさんは防戦一方で常に下がり続ける展開。

しかし出した数発のパンチはすべてクリーンヒットでダメージを与えました。

 

さて、どう点数をつけますか!?

4つの基準のうち、より攻撃的だったのはAさん。全体的な主導権もAさんといっていいでしょう。

しかし相手にダメージを与えて防御もしっかりしていたのはBさんですよね。

ここでどっちにポイントをつけるかとなると意見が分かれるところでしょう。

判定・採点に異論が出るのはだいたいこういうパターンが多いです。

どの要素を高く評価するかのズレが、あなたが思った判定と違う結果を生むのです。

 

 

もうひとつがマストシステムの存在です。

ラウンドマストシステムは多くの世界戦の判定・採点に採用されています。

先ほど採点方法の説明で「互角の場合は10対10」と説明しましたが、ラウンドマストシステムは必ず同点ではなく優劣をつけるという採点方法です。

つまりお互いに有効打のない完全に互角のラウンドだったとしても最低でも「10対9」の採点をしなければならないのです。

「うーん、完全に互角だけど絶対どっちか決めろって言われたらA選手かなあ…10対9でA!」そんなラウンドもあるわけです。

もしそんなラウンドが12ラウンド続いた場合、最初から最後まで互角だったけど120対108でA選手が大差で判定勝ち!なんて判定も起こり得るわけですね。

 

10ポイントマストシステムという方式もあります。

これは必ずどちらかに10点をつけるという採点方式です。

採点は減点方式なのでダウンなどがあれば点数が引かれていくわけですが、10ポイントマストシステムはお互いがダウンを喫したとしても8対8や8対7にはならず、10対9や10対8となるように採点をします。

 

ちなみに判定結果が同点になることもあります。

キックボクシングなどでは延長戦がおこなわれることもありますが、ボクシングでは基本的に延長戦はありません。

その場合の試合結果は引き分けとなります。

ちなみにベルトを賭けたタイトル戦などの場合は引き分けでもチャンピオンの防衛成功となります。

挑戦者目線だと引き分けは実質負けということですね。 

 

 

また、これは判定方法・採点方法ではありませんが、オープンスコアリングシステム(公開採点制度)というシステムがあります。

ボクシングの試合途中に現在の採点状況が発表されることがあります。

これがWBCが採用しているオープンスコアリングシステムという制度です。

4ラウンドと8ラウンドの終了時に選手・セコンド・観客全員にポイントが公開されます。

元々はボクシングの採点基準を明確化することが目的だったそうですが、ボクシングファンからは賛否両論です。

というのも、途中経過で自分が勝っているのが分かったら残りのラウンドはリスクを犯さず逃げ回ろう、という戦法もとれてしまうからです。

もちろん勝っている選手からすればメリットなのですが、負けている側は逃げる相手を仕留めなければなりません。

逃げる相手を倒すというのは非常に難しいことなので、この戦法をとられるとそのまま判定で負けてしまうことが多いです。

観ているファンもそんな試合はおもしろくありませんよね。

ということでオープンスコアリングシステムは嫌いだ!という方も少なくありません。

TV中継ではあえて途中経過のテロップを出さなかったり、そもそもオープンスコアリングシステムを採用しない試合もあるようです。

 

 

いかがでしたでしょうか?

ボクシングの試合を観戦していて判定に納得いかなかった経験はあると思いますが、上記の4つの採点基準にのっとりマストシステムも考えて1ラウンドごとに採点してみると、意外と納得の判定だったってこともあるかもしれませんよ。