ボクシングで縄跳びをする理由とやり方

ボクシングといえば縄跳びのイメージがありますよね。

そのイメージを決定づけたのはおそらく映画『ロッキー』でしょうか。

トレーニングシーンでの激しい縄跳びは皆さんの頭に強烈な印象を残したようですね。

 

縄跳びが上手いボクサーはボクシングも上手い。

ボクシングが上手いボクサーは縄跳びが上手い。

 

このように言われるほどボクシングと縄跳びは密接な関係にあります。

 

なぜボクサーは縄跳びをやるのか?そしてどんなふうに跳ぶと効果的なのか?といった内容を解説していきます。

 

また、健康や運動不足解消のために縄跳びをしている・始めたいという方にも参考になると思います。

短時間でしっかり汗をかけるのでダイエットにもオススメですよ。

家の前などのちょっとしたスペースでもできるので気軽に行えるのも縄跳びのいいところです。

ぜひ最後までご覧ください。

縄跳びをするメリット

まずはボクシングにおいて縄跳びをやるメリットを3つご紹介しましょう。

 

1.リズム感を鍛える

ボクサーは試合中、常にリズムを刻んでいます。

実際に試合を観ると常に両足のカカトを交互に浮かせてリズムをとっているのが分かると思います。

常にリズムをとることで次の動きに素早く入ることができます。

自分が攻撃に出る場合はもちろんのこと、相手の攻撃に対する反応速度も上がります。

体重移動をスムーズにおこなう練習にもなりますね。

 

2.フットワークを鍛える

ボクシングにおいてフットワークは非常に重要です。

このフットワークはリズム感とも深い相関性があります。

後ほど具体的な跳び方などもご紹介しますが、上手い人の縄跳びって軽やかに見えますよね。

縄跳びをしながら、軽やかなステップワークも身につけることができるのです。

 

3.体力をつける

ボクシングは最大で12ラウンド、つまり36分間戦う格闘技です。

どれだけ強いパンチを持っていても体力が無ければ終盤に形勢逆転されてしまいます。

体力つけるならマラソンでもいいんじゃないの?と思うかもしれません。

ですが一度縄跳びをやってみるとその良さが分かると思います。

「短時間でめっちゃしんどい!」

マラソンだと10分20分と走ってようやく身体が暖まってくるという感じですが、縄跳びならものの2,3分でばっちり身体が暖まり心拍数も一気に上がります。

心拍数がたいして上がらないレベルの有酸素運動をおこなっても正直効果は薄いです。

そういった意味でも素早く心拍数を上げられる縄跳びはオススメということですね。

 

余談ですが、総合格闘技の選手などは走ったり縄跳びをしたりといった体力強化練習をあまりやらない選手が多いそうです。

単純にボクシングと比べてラウンド数が少ないというのもありますが、寝技に持ち込めば呼吸を整えて体力を回復できるのが大きな理由だそうですね。

ボクサー流の縄跳び

ボクシングにおける縄跳びのポイントを5つにまとめました。

 

1.鼻呼吸

鼻呼吸の説明は特にいりませんね、口ではなく鼻を使って呼吸をします。

こうすることで息があがりにくくなります。

 

2.ワキを締めてヒジを固定し、手首でロープを回す

使うのはヒジより先だけです。

ボクシングにおいても構えるときにワキを締めるのは大事ですので、縄跳びでもそれを意識します。

肩から腕全体で振り回すようなやり方だとすぐに肩が疲れてしまいます。

あと室内だとロープが天井に当たってしまったりしますね。

 

3.ヒザを柔らかく使う

着地の際にヒザを上手く使うことで衝撃を抑えることができます。

逆にヒザを上手く使えていないと着地の度にドスンドスンと音が響き、ヒザへの負担も大きくなってしまいます。

ヒザを使ってピョンピョンと軽やかに跳ぶことを意識しましょう。

ポイント2が出来ていない人はこのポイント3も上手に出来ない人が多い印象がありますね。

 

4.常に体幹を安定させキレイな姿勢を保つ

跳んでるときは腹筋に力を入れておきます。

ボクシングにおいて体幹の強さ・軸が安定しているというのは非常に重要です。

強いパンチを打つためにも必要不可欠なものです。

 

5.低く速く

慣れてきたら徐々にジャンプの高さは低く、ロープを回すスピードは速くを意識していきましょう。

1~4のポイントをマスターして速く跳べるようになれば「あの人すげえ!」となること間違いナシです。

跳び方の種類

ボクシングの縄跳びの跳び方を1から順番に練習していきましょう。

 

1.両足跳び

いわゆる普通の?跳び方ですね。

両足同時にピョンピョンと跳びます。

 

2.片足跳び

片足ずつ交互に跳びます。

もも上げの要領でヒザを高く上げるようにすれば負荷が上がります。

 

3.ボクサー跳び

ボクサー跳びは右足で2回左足で2回といったふうに2回ずつ交互に片足で跳びます。

名前の通りボクシングといえばこの跳び方のイメージも強いでしょう。

 

他にもサイドスイングといって両手を揃えてロープを左右に振ったりといったテクニックもあります。

何分ぐらい跳ぶのが目安?

縄跳びをどれぐらいの時間跳ぶのかですが、普段運動をしていない方だと最初は1分跳ぶだけでヘトヘトになると思います。

でも最初はみんなそんなものなのでご安心ください。

まずはボクシングの1ラウンドと同じ3分間を目標にしましょう。

最初は1分でヘトヘトになっていた人も週2~3回を2~3ヵ月続けていると、3分間跳べるようになっていきます。

3分間跳べるようになったらインターバル30秒をはさんで2ラウンド・3ラウンドと増やしていきます。

ボクシングジムのタイマーは練習3分間休憩30秒という感じで動いているところが多いので、それに合わせる形でオーケーです。

 

取り入れるタイミングとしてはウォーミングアップやクールダウンでそれぞれ3~4ラウンドほどおこなう人が多いですね。

時間でいうと10~15分ほどです。

人によっては毎回10ラウンドほど跳ぶ人もいますね。

10ラウンド!?って思いますが、感覚としてはリラックスしてストレッチしているような感じなんだとか。

縄跳びの選び方

自分に合った縄跳びはどんな縄跳びなのか?選び方も解説していきます。

 

◎縄跳びの長さ

まっすぐ立って両手で縄跳びを持ち、ロープの真ん中あたりを足で踏んでピンと張ります。

この時肘を90度曲げた高さにロープの持ち手がきていればピッタリです。

縄跳びが短すぎると地面に縄跳びが付かないため、そのぶん高く跳ばないといけなくなってしまいます。

また、回転が速くなりすぎてしまって思い通りにロープをコントロールできません。

反対に縄跳びが長すぎるとロープが地面に当たった時に跳ね返って足に引っかかりやすくなってしまいます。

短すぎず長すぎず、ベストな長さになるように調節しましょう。

 

◎縄跳びの種類

・ビニールロープ

最も一般的なタイプで小学生の子が使っているのもだいたいこれですね。

100均で売っているのもほとんどがビニールのものです。

長さ調節が容易なものが多い印象です。

軽くつくられているので扱いやすくスピードも出やすいため、二重跳びや交差跳びなどの技に向いています。

その代わり使用頻度が高いと切れてしまうことも多いですね。

 

・チューブロープ(タイロープ)

ビニールロープと比べて重く頑丈につくられています。

ボクシングではこのタイプが使われることが多いですね。

長さ調節はロープを切るものが一般的です。

タイのムエタイ選手が使っていたことからタイロープとも呼ばれています。

重い分、あまり筋力のない方は最初は腕がパンパンになるかもしれません。

 

・エア縄跳び

これはちょっと番外編的な感じかもしれません。

エア縄跳びと聞くとエアギターのような感じで、物は使わずその場でジャンプするだけ?という想像をすると思います。

ですがそうではなく、エア縄跳びという商品があるのです。

一言で言うと縄の無い縄跳びです。

持ち手だけです。

これの一番のメリットは、絶対に引っかからないことですね。縄が無いので当たり前ですが…。

あとは縄跳びは狭いスペースでもできるのが特徴ですが、エア縄跳びなら縄が無い分さらに狭いスペースでできます。

跳んだ回数を数えてくれるカウント機能付きの商品もあるみたいです。

サウナスーツで効果アップ?

ボクサーは減量でサウナスーツと呼ばれる長袖長ズボンで汗だくになりながら縄跳びなどのトレーニングをしているのをよく見ます。

これを見ると一見「暑い格好をしていっぱい汗をかけば痩せるんだ」と思いがちですが実際はそうではありません。

「でもサウナスーツ着て縄跳びやってから体重測ったらめっちゃ体重落ちてたよ!」

残念ながら体重が落ちた理由は脂肪では無く水分です。

水を飲めばまた元に戻ります。

 

一般の方にとって痩せるとは脂肪を減らすことだと思いますが、ボクサーは既定の体重まで体重を減らすのが目的です。

体重が落ちるならそれが脂肪ではなく水分でも問題ないのです。